事故例

速度超過に起因する交通事故について回避方法の検討【事故例1】

実際にあった交通事故例を元に起きた状況等の仮説を立て、どういった自動運転機能やADASが普及していれば防ぐことができる可能性があったのか考察を行います。

事故例

片側2車線の直進道路を走る車両Aが左側道路(車両Aから見て)から出てきた車両Bの側面後方に衝突し、車両B側で死亡者がありました。

状況

天候は晴れており、5月の午前7時、交通量は少なめ。片側2車線の長い直線道路。

衝突現場の手前には橋があり盛り上がっているために車両A、左側道路から出てくる車両Bからもお互いが見えない。

車両Aは直進道路を並んで走る車の間を縫って走っていたために、車両A、左側道路から出てくる車Bからもお互いが見えない。

車両Aは制限速度50kmの一般道を時速100キロ以上で走行していた。

事故原因

車両Aによる速度超過と、橋の盛り上がりのために100m手前にならないとお互いの車が見えない道路が原因です。

橋の真ん中の一番盛り上がっている部分から衝突地点までは約100m。計算をしやすくするために時速108kmとすると秒速30mなので衝突まで約3.3秒です。一旦停止をした状態から道路を横切り終わるまでにかかる時間も約3秒と考えると車両Aが時速100km以上出ていた場合にはお互いに回避する方法はなかったと考えられます。

車両Aの視点

制限速度は50km/hの道路で、車と車の間を縫って走っていて速度は時速100キロ以上出していました。交差点から出てくる車両Bの存在は前方走っている車の影になることと、橋で隆起があるために見えていません。もしくは一瞬その先の信号を見るなどして、車両Bの存在を見落とし反応が遅れて衝突をしました。

車両Bの視点

車両Bは間を縫って走ってくる車両Aの存在を認識していないために、確認時に見えている直進車の2台(乗用車とトラック)の車の速度と距離からすると間に合うと想定し、道路を横切ろうとしました。ところが、見えている2台の車より速い速度で間を縫って走ってくる車両Aが出てきたために回避できませんでした。

事故の問題点

橋の隆起でお互いの車が見えないにも関わらず車両Aの速度超過のためにお互いの認識が遅れました。
また、車両Aの走っている道路は片側2車線の直進道路でありかなり速度が出ることが想定される上、隆起のある橋の先の交差点というそもそも事故が起こりやすい交差点です。
死亡した後部座席の人は車外に放り出されたとのことでシートベルトをつけていなかったことが想定されますがここでは衝突回避を目的とするため、論点としません。

現状での回避方法

車両Aについて

その先に交差点があり車が出てくる可能性があるということを知っていれば橋で先が見えないために速度を大幅に落とすべきでした。
また、直前になって衝突が予想される時にはブレーキだけで避けようとするのではなく、同時にハンドルを左に切っていれば側面に車両Aの正面からの衝突ではなく、50cmでもずらすことができていれば車両Bへの衝撃は減らせた可能性があります。車両Aは車両Bの側面にほぼ正面から衝突していました。そのため、車両Aはエネルギーを分散していますので、車両Aの車内に対しては衝撃が弱まっていました。

車両Bについて

速度超過で間を縫って走ってくる車の存在は認識できません。100m先しか見えないのだから、1台もいないことを確認できない限り、交差点から出ないようにすることが回避方法になります。
今回の事故では車両Bの前に1台別の車両が交差点に進んだ車が行った後、車両Bが交差点に入って1.5秒程度一旦停止してから交差点に進み出し、その後2.5秒で衝突しています。もし、もうもう2,3秒待てば速度超過の車両Aの視認ができますので回避することはできました。

自動運転(ADAS等)ができることの考察

大半の事故は衝突の5秒前に対応すれば避けることができることがわかっています。
事故を回避するためにはどのようなシステムがあれば回避できたのか、また回避できなかったとしても被害を軽減するためにはどのようなシステムがあれば被害を軽減することができるのかについて考察します。

事故回避について

橋の真ん中の一番盛り上がっている部分から衝突地点までは約100m。計算をしやすくするために時速108kmとすると秒速30mなので、盛り上がっている地点、つまり視認できるポイントから衝突まで約3.3秒です。一旦停止をした状態から道路を横切り終わるまでにかかる時間も約3秒(今回のケースは車両Bが動き出してから2.5秒で衝突)と考えると車両Aが時速100km以上出ていた場合には人間同士の対応においてはお互いに回避する方法はなかったと考えられます。

車両A側への対応

この交差点は間違いなく、過去にも接触事故が起きていたり、もしくは交差点から出るには怖いと感じられる道路であったことが考えられる。そういった、「ヒヤリハット」ポイントとして登録されることで、車両Aに注意喚起、もしくは強制的な速度制限装置が働くなどして速度を抑える方法が考えられます。

車両B側への対応

速度超過の車が迫ってきているということを道路側のカメラ等で認識し、その存在をモニターで伝えるなどして警告メッセージを出す方法があります。
直前の平均速度から何秒後に車両Aが衝突地点に到達するかはわかっていました。
つまり、どのタイミングで出たら衝突するということを車両Bが知ることができていれば回避することはできました。

事故を回避するための考えられるシステム

速度超過の車両Aの速度を落とすことが一番簡単ですが、それを行うことは逆に難しいため、そういった車両がいることを周囲の車が知ることができるシステムが必要となります。
そのためには道路側でその車両を検出するか、もしくは車両A側が周囲に情報を伝えるかの二つの方法があります。

道路側で検出する

橋の上にカメラを設置し、画像処理をして車両Aの平均速度を出すことは可能です。ただその情報を1秒以内で周囲の車に伝える方法としては、車載の専用の装置を使うか、もしくはスマートフォン等から車両に伝えるなどのシステムが考えられます。
難点としては、設置するカメラ一台あたりの設置価格はそれほど高価でなくても、そのような道路は何万箇所とあることが想定される上、設置後のメンテナンスも必要になる点があげられます。

車両A側が周囲に伝える

車両A側は位置情報と、速度、方向など全ての詳細な情報を持っています。つまり、何秒後にどの位置座標に進むかもわかっています。また、メンテナンスも車両の保有者が行うためにメンテナンスもされやすいです。

車両前方に向けて100m先まで情報を電波で放射することは可能であり、その情報を交差点にいる車が取得することも可能です。
難点としては、どちらも車車間通信用の専用機器が必要になる点です。トヨタのITSコネクトなどでは実現されていますが、メーカーをまたいでの通信規格が必要になります。つまり、メーカーの異なる車同士が会話するための共通言語が必要になると言えます。
現時点では、異なるメーカー同士が通信する仕組みは構築されていません。

ただ、無謀運転をする車がスムーズに走れる社会を作ることが目的ではありません。そういった運転を行う人の規制が求められますので、そういった車両を検出した場合は先の信号を変えるなどして強制的に車両の速度を落とさせるなどの制御が必要になります。

被害の軽減について

衝突の1秒前には回避ができないことはわかっています。そうったときに人は対処できなくても車両がなんらかの強制的な回避行動をとることで衝撃を減らす可能性について考えてみます。

1秒前とすると衝突までの距離は車両Aが時速100km程度とすると30m程度手前と考えられます。側面に衝突する場所があと1m左側にずれれば車両Aの運動エネルギーを多少は逃すことができた可能性があります。
前方の車両の形状をシステムが判断した上で一番ぶつかる面積が小さくなるような回避処置と緊急ブレーキを行うことが考えられます。

まとめ

現在まで、車が発明されてから走る凶器であることは変わっていません。
ドライバーが乱暴に振り回せばすぐに死亡事故が起きます。

私の身の回りでも、明らかにありえない運転をする人がいたが、その人は自損事故で死亡しました。
明らかに免許を持ってはいけない人が車を運転できてしまう。
これはアメリカの銃などと同じで、免許さえあれば誰でも保持できてしまう。

どれだけ自動運転が普及しても、ハンドルを取り上げない限り、無謀運転を行えば死亡事故は起きます。

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