事故例

信号無視に見えて実は信号機側の問題による事故の回避の検討【事故例3】

実際に起きた交通事故をもとに状況等は仮説をたてながら、事故の原因を考えます。
そして、自動運転やADASが普及することでどのような形で回避することができるのかどうかを検討します。
ここに書いている内容は私の独自の判断によるものです。

事故例

片側3車線の大通りと、片側1車線の道路が交わる交差点における衝突事故です。
片側3車線の大通りを走る車両A側が信号が赤になっているにもかかわらず右折を開始し、片側1車線を直進する車両Bと衝突しました。

状況

片側3車線の大通りを走る車両Aが、右折をしようとしていましたが、直進車が多く右折がなかなかできない状況でした。
直進車が途切れた時には車両Aの信号は赤には変わってしまっていましたがそのまま右折を開始しました。
片側1車線の道路側の信号は青になっており、直進してきた車両Bは、右折を開始した車両Aと衝突しました。

事故原因

法律上は、信号を無視して右折を開始した車両Aに全ての責任があります。
そのため、実際の裁判においても車両Aが100%の過失となりました。
それは車両Bに責任がないから車両Aが100%の過失となったからですが、本当の事故の原因はそこではありません。

右折側が曲がることのできないタイミングで動作した信号機に問題があります。

車両Aの視点

信号が青の状態で右折専用レーンに入りました。
ところが交通量が多く、直進車が途切れません。
信号が赤に変わりようやく、直進車が途切れて右折を開始しました。
信号が青になり左から来た車両Bと衝突しました。

車両Bの視点

かなり手前の時点では交差点の赤の信号が見えていましたが、ちょうど交差点に近づいた時に青に変わりそのまま直進しました。
交差点の真ん中あたりで左側から右折を開始した車両Aと衝突しました。

信号機の視点

交通量によらず、一定のタイミングで動作を行います。
そのため、直進車が途切れない限り車両Aは永久に右折ができません。
これは信号機側のバグ(不具合)と言えます。

現状での回避方法

車両A

いつかは青で途切れる時もあり得るために待ち続ける以外に方法はありません。

車両B

右折できなかった車両が見えていることもありますので、交差点に入る時には速度を落とすべきでした。

スマートシグナル等にできることの考察

交通量に応じてタイミングを変えたり、車との通信ができる信号機をスマートシグナルとここでは名付けています。
今回は、車側が衝突を回避することではなく、信号機側にどういったことができるかについて考えてみます。

次の方法が考えられます。

  • 交通量に応じた右折専用表示を追加する
  • 交通量に応じた時差式信号にする

右折専用信号や、時差式信号を設置することのデメリットは信号の待ち時間が増えることです。
そのため、交通量を考慮しない右折専用信号や時差式信号の設置により渋滞が増える可能性もあります。

また、時差式信号は標識で小さく書いてあるだけでドライバーから認識されにくいこともあります。
そのために、自分のところだけが本当に青なのかわからず、進んで良いのかの判断が難しいなどの問題点もあります。
もちろん、路車間通信ができるようになり、車側が判断して進むのであれば問題はなくなります。

交通量や待ち車両に応じて動作する信号機の検討

従来でも、超音波系のセンサーを利用した信号機はありました。
車が1台止まっていると、青にする信号機ですね。歩行者の押しボタン式信号と同じ原理です。
ボタンを押すか、センサーが車を検出するかの違いです。
だいぶアナログですが、これも一つの原始的なスマートセンサーともいえないことはないです。

最近ではカメラによる画像処理を行なって右折車両の検知によってタイミングを変える信号機もあります。

参考 KYOSAN

超音波を使ったセンサーの場合、バイクの検出や、想定以外の車や複数台の車の検出はできません。
無駄な時間(車がいないのに信号が青になっているもの)を生み出さない信号がスマート(賢い)な信号です。

画像処理を行えば、どちらの交通量が多いのか、右折車両が多いのかなどの判断ができます。

信号機のタイミングをいつも一定ではなく、その瞬間瞬間の交通量に応じて信号の変わるタイミングを変更するようにします。
もちろん、ある程度の基本時間があり、それに対して時間を前後させる形になるでしょう。

まとめ(まちづくりをするスマートシグナル)

事故の9割は人が引き起こすと言われています。
今回も信号無視した車両Aに問題があると、現時点の法律ではなってしまいます。
ところが、よく見ると信号機側に問題があるという部分があったりもします。

ここでは詳しくお話しはしませんが、本来、人が信号の時間等の設定も一切行う必要はありません。
交通量に応じたタイミングをシステムに計算させた方がよほど最適なタイミングで信号機は動作するでしょう。

また、道はつながっているわけですので、信号機同士が通信をすることで、車の平均速度の最適化も行うことができます。
そういった最適化を行うシステムをAIと呼びます。

昔は電車のダイヤも人がアナログに定規を引いて設計していたはずですが、今では瞬時にコンピューターを使って作成しているはずです。
同様に、信号機のように交通量を最適化するというような目的が明確で数値化できるものは人が設計するよりも、信号機を設置してあとは信号機が最適なタイミングを見つけていくようになります。

自動運転の車の抱える問題点の一つとして、「真面目すぎる」ということがあります。
つまり、安全マージンをきっちりとっていると、人はそのタイミングにイライラしてしまい、自動運転をオフにすることがありえるということです。
急いでいる時には、人が運転するといったことが起きてしまいます。

しかし、スマートシグナルによって、最適なスピード、燃費、移動時間が確保されるならば人は介入しないはずです。
自動運転では車ばかりがフォーカスされ、信号機がニュースになることはあまり多くないですが、本当は信号機側で対応できる部分はかなり多いです。

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