自動運転に関わる用語についてまとめます。
ADAS(Advanced Driver Assistance System)
先進安全支援システムと訳され、エーダスと読みます。
内容はざっくり言うと、SAEの自動運転レベルの0,1,2になります。
つまり、あくまで人の支援にあたる機能です。
運転の責任がドライバーにある前提での補助システムです。
車が自動運転になっていく過程で必要とされるシステムとも言えます。
ADASには3分野あります。
- Driving Assist Systems(走行時の事故を防止)
- Parking Assist Systems(駐停車を支援)
- In-car Sensing Systems(乗員の状況を把握して事故を未然に防ぐ)
例としては、自動運転レベルの0のバックモニターやヘッドライトの防眩(ぼうげん)機能なども含まれます。
またレベル1にあたる、車線逸脱しないようにするレーンキープ機能や、緊急ブレーキをかける衝突防止システムもADASになります。
レベル2にあたる、レーンキープと、オートクルーズコントロール(速度を一定に保つ)と前の車に追従する機能を同時に行うものなども含まれます。
上のIn-car Sensing Systemsとは、ドライバーの眠気を把握して休憩を促すシステムなどになります。
ただ、レベル3になってくると、渋滞時の高速道路など限定的ではありますが、システム側がドライバーに変わって運転をすることになります。そのため、ADASに含まれているとは言えなくなるのですが、システムがドライバーに運転を替わる必要もあるので、ある意味ではドライバー支援、つまりADASとも言えますが、レベル3は含めないとされることが多いです。
AHS(advanced cruise-assist highway systems)
走行支援道路システムです。
1994年〜1996年に旧土木研究所(国土技術政策総合研究所)が実証実験を行なっています。
道路と自動車が通信を行い、リアルタイム情報をドライバーに提供し、車両走行の安全運転を支援する仕組みです。
1996年には開通前の上信越自動車道11kmの区間を活用して磁気マーカーを道路レーンに埋設し、11台の車群による隊列走行の実験を行いました。
ASV(Advanced Safety Vehicle)
先進安全自動車です。1991年から国交省やメーカー等を中心にして進められているプロジェクトになります。
30年前から進められていることもあり、現在のADASと呼ばれる機能の多くはここで策定されています。
このASVはITS(Inteligent Transport System:高度道路交通システム)のプロジェクトとほぼ同時期に国内で始まったものです。
今、当たり前のように高速道路の料金所で使っているETCもITSが進められる過程で実現されたものです。
ASVにて実用化された技術は国交省のページにまとめられています。
いくつかを抜粋します。
- バックカメラ
- カーブ警報:カーブ進入速度注意喚起装置
- タイヤ空気圧警報
- 車間距離警報装置
- 車線逸脱警報装置
- 定速走行・車間距離制御装置
- レーンキープアシスト
- パーキングアシスト
- 低速域衝突被害軽減ブレーキ(第5期ASV2011-2015にて追加)
- 路外逸脱抑制装置(第5期ASV2011-2015にて追加)
- 二輪車用エアバッグ
このように見ると、自動運転のレベル0を中心に少し1や2が入ってきているという形です。
もともと30年前の1991年に開始されたものですので、インターネットすらない時代から進められたものですが、時代が追いついたとも言えますし、時代が追い越したというイメージを持ちます。
CAN(Controller Area Network)
車用の通信プロトコル(規約/ルール)になります。
ドイツのボッシュ社が仕様を定めたのちに、ISOが規格化しました。
このCANは通信速度が1Mbpsまでしかなく、CAN-FDだと8Mbpsまでの通信速度が出ます。
そのため、一部の車では、LAN(Local Area Network)のイーサネットを使うようになっています。
その場合、1Gbpsまで通信速度が出ますので、より高度になっても対応できることが予想されます。
自動運転などのない、現時点の車においてはCANの通信速度でも足りるかもしれませんが今後、ますますそれぞれのセンサー類が高度になり、情報量が増えていくとLANに切り替えないと足りなくなることが予想されます。
自動運転のレベル2まで対応したプロパイロットの機能がある日産のスカイラインからイーサネットになっていると言われています。
また、トヨタのレクサスのLSに搭載するLevel2の「Teammate」搭載車もイーサネット搭載になりますので、他社も自動運転のLevel2以上の車になると同じような形になることが予想されます。
TCP/IPを使いますので、ますます、車のPC化が進みます。
奇(く)しくもNVIDIAは自動運転の画像処理に使われる部品メーカーです。
もともと、PCのグラフィックボードで有名なNVIDIAですから、これからの自動車は本当にタイヤのついたPCとなっていきます。
CASE
以下の用語の意味を含む概念になります。
C:Connected(コネクテッド)
A:Autonomous(自動運転)
S:Shared & Services(シェア/サービス)
E:Electric(電動)
Connected(通信)
「つながる車」という意味になります。Connected Carです。
インターネットとつながることもありますし、他の車との通信もありえますし、道路との通信もありえます。
トヨタ自動車の実験によっては、車のワイパーの動きを車が情報発信して、天候との比較も行われています。
ワイパーを動かしている車が多ければ近辺では雨が降っていることが予想されますし、車の平均速度が遅ければ、その周辺では渋滞が起きていることが予想されます。
車自体がセンサーになることになります。
Autonomous(自動運転)
自動運転はドライバーレスを目標とし、車自体がドライバーに代わり運転をするようになることです。
それはあくまで究極の形ですので、まずは運転サポートの自動運転レベル0から2ではじまり、3,4,5とシステムが運転をするようになっていきます。
システムが運転をすることにより、まず、大幅に交通事故は減ることが予想されます。また、道路も交通量に応じた経路案内などが最適化されることにより、渋滞も減る可能性があります。
本当にレベル5の自動運転が実現できた世の中であるならば、多くの車の時分割処理、つまり、必要なところに必要な車を割り振ることで、大幅に車自体を減らすことができることも予想されます。
車の時分割処理といいますのは、例えばタクシーであれば、雨がふり始めた地域に車が自動で(人でもいいですが)移動して、人を運ぶことなども予想されます。また、通勤時間帯に使われていたバスは、午後は老人ホームの移動に使うなんていう形もできるかもしれません。
現在の個人の乗用車の稼働率は1日30分程度と言われておりますので1日1440分と考えると、2%程度しか稼働していないことになります。車を保持することが趣味、という人にとっては別ですが、世の中の大半の人にとっては必要だから維持しているだけです。
そういう、移動のためだけに使う人たちにとっては、乗りたい時に乗れればいいわけですので、車の台数は大幅に減らし、世の中の車の稼働率を上げることができるようになります。
Shared & Services(シェア/サービス)
カーシェアリングはだいぶ広がってきました。
2002年には登録台数が21台、会員数は50人ということでしたが、
2020年には登録台数が40,290台、会員数は2,046,581人となり、
約4万台と、200万人となっていることになります。
出典 公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団
これからますます増えていくことが予想されます。
それは、そもそも車を移動手段としかとらえていない人も増えているからです。
昔のように、車を持っていることが一つのステータスではなくなっています。
もっとも、高級車になると意味は変わりますし、一つのブランドを持つことによる自分の自信になる道具にはなり得ます。
そういうところで、高級車や、人と違った特殊な車両の市場は必ず残るでしょう。
ほかの例で音楽を考えるとわかりやすいですが、30年前は、CDを買うというスタイルが多かったです。
また、欲しい音楽の全部のCDを買うのは金銭的にも難しいからということで、レンタル屋で借りてきて、カセットテープやMDにコピーするという形でした。そして、今ではストリーミングという形で、データを保持するのではなくサービスという形で利用しています。
所有→レンタル→サービス
この変化があります。
カーシェアリングは、レンタカーとは形は似ていますが意味が異なります。
サブスクリプションで毎月支払うことで、いつでも乗りたい時に乗れるようになることで、レンタカーと見た目は何も変わっていないけど、サービスを利用していることになることになります。
Electric(電動)
自動車は、走るスマートフォンだと例えられることが多いです。
それだけ、電気部品が多くなっているとも言えます。
実際、EV(Electric Vehicle:電気自動車)になることで、部品点数はガソリン車の半分になるとも言われています。
エンジンがモーターになることで、複雑なエンジンや、変速ギアを大幅に減らすことができますので、車の構成自体はシンプルになっていきます。
そのため、中国で安く作られるスマホのように、自動車もなっていくことは予想ができます。
(EVがどれだけ普及しても地域等によりディーゼルの方が優れている部分もあるので、ある分野においては残るはずです)
現時点では、充電時間やバッテリーの価格や劣化などいくつか問題点はあります。
ガソリン車であれば、ガソリンで給油は1、2分でしょうか。
ところが、EVであれば、充電スタンドの種類やバッテリーの容量にもよりますが、数時間必要ということもあります。
もっとも、近場に移動するだけであれば、30分も充電すれば大体いけるようですが、それでも長いです。
また、気温によってバッテリーの減りが変わるというのも現時点での問題点の一つです。
EVについても詳しくは書きたいですが、車が電子化しているというのは、ガソリン車であったとしても電子化が進んでいるということは事実です。
それは、自動運転が進むことももちろんですし、ETCなどが普及していることも車が通信機器になってきていることには変わりません。
車がスマートフォンになるというのは、移動するためだけの道具ではなくなるということも意味します。
もともと、スマートフォンの原型は、携帯電話でした。
つまり、通話するための道具でした。
それが、スマートフォンはPC同様、なんのアプリを入れるかで役割が変わる機器になりました。
将来的に、車も本来は移動するための道具のはず。
しかし、入れるアプリによって役割が変わる以外にも、移動できるために、移動した場所で役割が変わる機器になることが考えられます。
車のスマホ化というのはただの電子化だけを意味するわけではなく、必要に応じたサービスを利用する機器になっていることも意味します。
ECU(engine control unit/electronic control unit)
もともとは、ECUはEngine Control Unit(エンジン制御ユニット)の頭文字をとって呼ばれていました。
車をチューニングするときにコンピューターチューンを行うのはこの部分を書き換えるものです。
1台の車に一つということになります。
ところが、最近ではECUはEletronic Control Unit(電子制御ユニット)を意味しており、通常の車で30個程度、高級車で100個程度(2010年頃)と入っているといわれます。
今でも当然エンジンコントロールユニット(ECU)はありますが、それだけではないので機能ごとにECUが存在します。
例
エアバッグ制御ECU
パワーステアリング制御ECU
充電制御ECU
ハイブリッド制御ECU
ゲートウエイECU
ガス燃料用エンジン制御ECU
トランスミッション制御ECU
エンジン制御ECU
……etc
車はかなり過酷な環境で使われます。
それはマイナス30度から100度といった温度、振動、エンジンからなどのノイズといった障害があります。
それでも電子機器は誤動作をしても、壊れてもいけないわけです。
そういった環境下で、例えば2か月にわたってのストレステストを行います。
例え水没してもある程度の機能を求められることもあります。
FPGA(field programmable gate array)
組み込み系の仕事をしている人はとても身近なモノです。
ICといえばICです。
ただ、ASICなどと比べて処理速度は遅いですが中身の書き換えが自由ということがあります。
そのため、ASICで作成する前にFPGAで試作品を作るというようなこともできます。
FPGAは特に車用ということではなく、多くの装置に使われています。
多品種少量ロットのものに使われることが多いようです。
また、共通の基盤で、FPGAの中身を変えるだけで他の機能を持つ基盤にすることができることも特徴です。
ASICはできあがるまでに3か月かかることもありますが、FPGAはその場で、HDL(ハードウエア記述言語)で書き込むことができます。
書き込む前にもシミュレーションソフトがありますので、手元に基盤がない状態であってもある程度は作成し、テストを行うことができます。
そのため、非常に柔軟に開発することができ、出荷までの時間を短縮することができます。
インテル(Intel)が買収したアルテラ(Altera)とか、AMDが買収したザイリンクス(Xilinx)などが有名なチップメーカーです。かつてはこの2社でFPGAのシェアを80%くらい占めていました。
GNSS(global navigation satellite system)
衛星測位システムと訳されます。
人工衛星を利用して自分の地球上の位置の測位を行うものです。
この中で最も有名なのはGPSです。
GPSはアメリカですし、GLONASSはロシアというように、各国で衛星を打ち上げて位置情報を把握できるようにしています。
もし、自車の位置を1cm単位、かつ0.01秒単位での更新などで正確にとらえることができれば、それだけで多くの衝突事故を無くすことができます。
(このような精度はGPSなどでは当然できません)
衝突事故というのは、車と人、車と車、車と壁といったなんらかの物体同士の衝突だからです。
話はそれるようですが、戦闘もののゲームを考えてみたらわかります。
敵が撃った弾にあたったら、ダメージを受けますね。
あの”当たり判定”は、基本は3次元の座標での自分の位置と弾の位置が重なったらダメージを受けるという処理があります。
(もちろん、物体同士は点ではなく、立体として処理しているので、そこまで単純ではないですが基本はその形です)
車の話に戻しますが、位置が正確に把握できるのならば、その物体同士の位置を重ならないように制御すればいいことになります。
位置情報はカーナビくらいにしか今は使われていませんが、もし、道路に位置情報を把握するセンサーがつくようなことがあれば、最初に書いた1cm単位、0.01秒更新というような精度で車や人の位置情報を得られることになります。
GPS
1974年にアメリカが最初の衛星NAVSTAR(Navigation System with Time and Ranging)を打ち上げ、1995年にシステムが完成しました。
全部で31機あり、高度20200kmを周回しています。
実際の測位には、4機使用して、衛星から発信される正確な時刻から衛星との距離を割り出し、重なる点として3次元の位置情報を求めます。
中学生で習う三平方の定理が使われます。
それにより、位置は10m程度の誤差で使用することができます。
ところが、もともとは民間が使える信号には劣化情報が含まれており、30m~40mの誤差がありました。
米国防総省によってSA(Selective Availability、選択利便性:精度劣化措置)が入っていたためです。
この精度劣化装置が入っていては、カーナビにすら使えません。
D-GPS(Differential GPS)
そこで、補正信号を追加することで精度は数m程度にまで上げることができるようになりました。
diffentialですから、差分といったところでしょうか。
補正信号というのは、測位対象となる移動局(車など)の他に、別の手段で正確な位置が分かっている基地局でもGPSの電波を受信して補正信号を作りだすものです。
そうなってきますと、SA(Selective Availability、選択利便性:精度劣化措置)があったところで意味がありませんので、2000年にSAは解除されました。
もっとも、SAが解除されたらD-GPSの補正信号も不要になりますので、海上保安庁などで1997年より運用されていたものも、2019年運用を停止しています。
RTK-GPS(Real Time Kinematic GPS)
D-GPSと同様に、別の固定の基地局から信号を受け取るという形は同じですが、電波の位相を使うという点が異なります。
精度は数cm程度にまであがります。
自動運転のためには、車の正確な位置が必要になります。GPSの数mの誤差はカーナビには困りませんが、道路の中の位置までの精度が必要になりますので、RTK-GPSであればその条件を満たすことができます。
GPSは信号が0.1秒周期ですので、位置の精度が高くても速度が速くなると、それだけずれてしまうことになります。
準天頂衛星システム(QZSS:Quasi-Zenith Satellite System)
提供:内閣府宇宙開発戦略推進事務局
日本の人口衛星「みちびき」がこのシステムにあたります。
日本版GPSと呼ばれることもあります。
各国が位置情報を把握できるように衛星を打ち上げている中、日本でも海外の衛星を使うのではなく自前で必要だということで打ち上げられています。
GPSがアメリカの意図でSAを付加されたりなどしたら精度が落ちたり、サービスの停止だって出来てしまいます。
受信できるエリアは、上の図の枠の中になります。
等高線のように書いてある数字が仰角になります。
一番外側の数字が10と書いてあり、赤で日本の一部に70と書かれていますので、このエリアでは仰角が70度で受信できることになります。
赤枠は、フィリピンやマレーシアなどにもかかっていますので、一部の東南アジアでも使用できることになります。
ただ、現時点(2021年4月)は4機しかないため、「みちびき」は単体で使うのではなく、GPSとの併用が想定されています。
2024年に7機体制になることで、「みちびき」単体で運用できるようになります。
この「みちびき」は、約8時間つねに仰角(平面から見上げた角度)以上で国内で受信できるように衛星が制御されています。
高層ビルなどの多いところでの受信の場合、仰角の低い場所にあるGPSの衛星の受信ができません。
その場合でも「みちびき」の衛星を併用することで測位できるようになります。
精度は以下の形で、GPS単体よりもかなり精度があがります。
衛星測位サービス GPS同等の数m程度の精度
サブメーター級測位補強サービス 誤差 1~2m
センチメーター級測位補強サービス 誤差 6~12cm(静止体) 12~24cm(移動体)
受信機は案外身近なところにあります。
appleのiphone12以降や、apple watchなどでも受信ができます。
衛星測位サービスまでになりますので、数m程度の位置精度になります。
HMI(Human Machine Interface)
意味をわかりやすく訳すと、「人と車の間にある入出力機器や概念」となります。
機器を意味するときには、ステアリングやアクセルもそうですし、スピードメーターになります。
概念を意味するときには、何を意図してその機器の使い勝手をデザインしたのか、ということになります。
マンマシンインターフェース(Man Machine Interface)とほぼ同じ意味です。
機器とやりとりするためには、PCであれば、キーボードやマウス、モニターが必要なように必ず必要な機器です。
そのため、考え方等は別に新しいものではありません。
関連する用語として、
「このアプリのUI(User Interface)ひどくない? 」
という使い方をしたら、UIの意味は「使い勝手」ということになります。
他にもUX(User Expericence)という言葉がありますが、こちらは「ユーザー側の体験」ということになります。
そのため、UXを考えて設計しましょう、というような使い方になります。
UIとHMIはほぼ同じ意味だととらえます。
一般的に車の世界でHMIが言われるときには、ドライバーが確認するモニターや操作パネル、スイッチなどを指します。
カーナビが普及することで、車にはモニターが入ってきました。
車のスピードメーターなども全てモニター表示にしている車も出てきています。
そのため、UI(User Interface)/HMIはかなり自由な設計ができる反面、デザイン次第で使いにくくなったり、操作ミスを引き起こすようなデザインにもなりえます。
また、その人好みのデザインを選ぶなんていうこともやがてできるようになることが考えられます。
バックミラーもモニターにしている車もあります。
鏡ではなく、車に取り付けたカメラからの映像を映し出すという形です。
従来では、高コストでできなかったようなことがモニターの低価格化によって日常にあふれてきています。
話はそれますが、大きな駅などではたくさんのモニターがデジタルサイネージ(電子広告)として表示されています。
これもモニターの低価格化が影響しています。
LiDAR
LiDAR(ライダー:light detection and ranging 光による検知と測距)は、従来、自動車用途においてはレーザーレーダと呼ばれていました。基本的には光を発して、その返ってくるまでの時間を測ることで距離の測定を行うものですが、多方面に照射することで三次元、つまり立体で把握できるようにします。
RADARとの違いは、RADARは使用する周波数帯が電波なのに対し、LiDARは光の帯域を使います。
RADAR同様に、アクティブセンサーです。
つまり、センサーから光を出してその反射を測定して周辺の像を作ります。
詳しくはこちらのページに記述しています。
MaaS(Mobility as a Service)
わかりやすく言うと、車を所有するよりも各種移動手段を用いて移動をスムーズにできるようにするサービスです。
こちらの書評に少し書きました。
MaaSにもレベル0から4まであります。
レベル0であれば、同一の鉄道会社の料金だけ調べることのできるアプリです。
レベル1になると、さまざまな鉄道会社を加味した経路案内を行えるアプリなどになります。ジョルダンの乗り換え案内などですね。
レベル2になると、レベル1に加え、決済までもアプリで行えるサービスです。JapanTaxiのアプリなどです。
レベル3になると、複数の会社(バスやタクシー、鉄道など)をまたいで使用できるだけでなく、それがサブスクリプション(定額制)で使用できるようなサービスになります。
レベル4になると、それらが国の政策レベルで管理することになります。
国内でも東急が伊豆で、MaaSの実験を行ったことがあります。
ただ、コロナのために中断されてしました。
MaaSをどのように進めたのか、この本にとても詳しく載っています。
わかりやすく、かつ面白い本です。
実際の東急の実務担当者が書いている本です。
MaaSは、地方の過疎化による赤字バスの運行なども助けることになる可能性を持ったものです。
人の動きと、交通だけではない映画などの別のレジャーなどのサービスも一元して統合していく流れを持つものです。
そのため、車に特化したサービスではありませんが、車も関わるというサービスと言えます。
NVIDIA
エヌビディアと読みます。
アメリカのグラフィックボードを作っているメーカーです。
もともと、PC用に作っていました。
ゲーム機のXboxの開発などにもたずさわっています。
NVIDIAと聞くと、PCのグラフィックボードの会社だと思ってしまうのですが、最近では自動車の画像処理のためにも使用されています。
グラフィックボードの役割は、通常は3D処理を行う時に多用されます。
コンピューターの心臓ともいえる演算装置であるCPU(Central Processing Unit)自体にも多少のグラフィック処理能力はありますが、3D処理となると演算数が膨大になります。
それをCPUにやらせるのではなく、GPU(Graphics Processing Unit)に映像関連はやらせるようにします。
このチップを作っているメーカーは、NVIDIAとAMDになります。
自動運転では人に代わって運転するということは、人の目に代わる装置が必要になります。
カメラで受像した映像を高速で取り込み、そこから人や車の認識といった処理が必要になります。
そのため、3Dゲームや3Dシミュレーションでの3D処理を行う技術は自動運転に使う技術と重なる部分が多いために応用しています。
参考文献
自動車オートパイロット開発最前線 NTS
自動運転、先進運転支援システムの最新動向とセンシング技術 技術情報協会
車載センシング技術の開発とADAS、自動運転システムへの応用 技術情報協会