自動緊急ブレーキや警告の装備が実装された車が増えてきました。
2018年以降では、新車販売のうち9割以上の装着率です。
政府目標として、2020年までに9割以上の装着率とするということがありましたが、それを既に超えて実現できていました。
また、国土交通省から2020年1月31日には歩行者についての対応を求められた基準が公布されました。
しかし、自動緊急ブレーキにも誤動作をはじめとした問題点、限界があります。
その装置としての部分についてお伝えいたします。
導入しはじめたばかりにおいては人の過信などによる事故も多いと思われますが、その部分については述べません。
自動緊急ブレーキの概要はこちらの記事をご参照ください。
自動緊急ブレーキの概要としては、走行中の前方の車両に追突しないことや、駐車車両にも追突せずにブレーキをかけることや、追突の恐れがある時には、前もって警告を出すという機能になります。
参考 国土交通省保安基準
自動緊急ブレーキの限界
限界にはいくつかのパターンがあります。
- 距離の限界……何メートル手前から検出が可能なのか
- 天候の限界……太陽の光における逆光や、霧や雨、トンネルを出た時などの急激な明るさの変化への対応、路面状態の悪化
- 道路形状の限界……急なカーブにおける対向車の衝突の判別や、急な坂にさしかかったときの道路と障害物の判別
- 物体の検出の限界……人などの車両に比べて面積の小さい物体の検出、黒などの光を反射しにくい物体の検出
- 死角の限界……見えないところから急に飛び出てきた場合の対処
それぞれについてご説明いたします。
距離の限界
状況に応じて必要な距離があります。
速度が速くなれば、当然それに応じて検出しなければならない距離は伸びます。
減速度を0.2G(下に補足)に抑えた場合の必要な最大検出距離は以下の形です。
ブレーキの警報
時速 100km 最大検出距離 約100m
時速 60km 最大検出距離 約40m
緊急ブレーキ
時速 100km 最大検出距離 約60m
時速 60km 最大検出距離 約20m
自動運転になるとさらに距離が必要になり、時速100kmで約200m必要になります。
ただ、ここでは、自動緊急ブレーキについてのみお伝えします。
(参考 実吉敬二:ステレオ法による立体画像認識の基礎と車載カメラへの応用より)
1Gが通常の重力です。例えば体重50kgの人が0.2Gでブレーキをかけられたら50✖️1.2=60kgに感じるくらいの強さです。
ステレオカメラを用いた場合→遠くは精度が落ちる
人の目に近い形での検出になります。
ステレオカメラという名の通り、左右に二つのカメラを用意しています。
その左側と右側で見える映像の差から距離を測るものです。
スバルのアイサイトなどに使われている日立オートモティブのステレオカメラは、水平視野角50度、約100m先まで検出できます。
基線長(左右2つのカメラの距離)は350mmです。
試作した装置での実験では基線長160mmでも、背景と車両を区別して測定することで雨天でも約170mまで検出することができています。
自動ブレーキに関して、距離の測定自体はカバーできることがわかります。
ちなみに、単眼カメラでも距離の測定はできます。移動する物体から2点から測定することができるからです。精度は落ちますが、仕組みを単純化できますので低価格にすることができます。
限界:ステレオカメラは検出距離が伸びるほど精度が落ちる
RADAR(レーダ)や、LiDAR(ライダ)を用いた場合、電波や光を出して跳ね返ってくるまでの時間を測定するものですので精度は測定距離に関わりません。
ところが、ステレオカメラの場合は、基線長が重要なのですが仕組み上、遠いほど精度は下がり、近いほど精度が上がります。
距離の2乗に比例して精度は落ちます。
LiDAR(ライダー)を用いた場合→黒や鏡面、煙は距離を誤る
出典 デンソー(https://www.denso.com/)
レーザースキャナとも呼ばれ、赤外レーザー光をスキャン(走査)して、その光が跳ね返って来るまでの時間を測ることで、物体までの距離を計測するものです。これを、TOF(Time Of Flight)方式と言います。
ただ、単純に1点だけレーザーを出すのではなく、水平方向、垂直方向にスキャンしますのでカメラほどの情報はないにしても、上の写真のように3次元情報の面で位置情報を得ることができます。
例えばVelodyne製の場合、測定距離が1.5m〜200mといった製品もありますので、こちらも条件が揃っていれば必要な距離は確保できています。
903nmの波長の光を使い、精度は±3cm程度で測定できます。
見通せるところに対しての正確な距離を出すという点において有効な方法です。
限界:黒い物体や鏡面反射する物体、エッジの計測距離が下がる、光なので目にも注意
光を出して跳ね返ってくるものを受信しますので、光を吸収してしまう黒い物体に対しては測定できる距離が下がります。
その逆に、鏡のように跳ね返してしまう物体や、エッジ(角)についても正しく測定ができません。
ミラーなど以外に鏡面仕上げにしているトラックやタンクなども悪影響を与える可能性があります。
また、ガラスなどの光を透過してしまう物質についても計測は難しくなります。
前方での事故や火事などの黒煙といった場合も光を反射しませんので、検出できない欠点を持ちます。
多くの反射光を集めなければ計測ができませんが、これらの部分はブラックスポットと呼ばれる黒くなってしまう場合と、誤測距となってしまう場合があります。
光を照射していますので出力にも注意が必要です。1500nmの場合は高価にはなりますが、アイセーフ帯と呼ばれ水の吸収スペクトルのため、目に対して安全性が高いです。そのため、900nmよりも大きな出力が認められます。
RADAR(レーダー)を用いた場合→距離と速度は正確
RADARとは、ミリ波RADARと呼ばれるもので、以後RADARと表現します。
RADARは電波(3THz以下の電磁波)を用います。周波数帯は76〜79GHz帯のミリ波を使います。24GHzも用いられますが、厳密にはミリ波ではありません。理由は逆数にして波長を求めると12.5mmですので、1cm超えているからです。
RADARは距離と相対速度の測定を同時に行うことができます。
悪天候や暗闇や急な明るさの変化に強いことや、ミリ波はある程度反射もするために影に隠れている物体を検出することもできます。
測定距離も250m程度にすることもできますので、遠距離の相対速度、距離の測定に適しています。
範囲もBOSH製の場合、250m仕様で視野角は20度、160m仕様で42度程度です。(BOSHサイトより)
距離と相対速度の測定には最適な方法になります。
限界:面でとらえたり、物体の形状の把握は困難
レーダ(RADAR)は、基本的に垂直方向にはあまりビームさせません。そのため、物体を立体でとらえることは苦手です。
そのため、人なのか、信号機なのか、木なのかという区別をつけることが難しいです。
すごく長い棒でつついて周りを把握しているようなイメージでしょうか。
天候の限界
降雨、濃霧、大雪、夜間とさまざまな状況があり得ます。
そうした時には人でも対応が難しく、速度を落とさざるえません。
また、路面が凍結、または降雪などで正しい制動ができない場合には、予期せぬ動きをすることがあり得ます。
ステレオカメラを用いた場合→濃霧、逆光などの悪環境には弱い
人の目と同じですので、濃霧や降雪で先が見えなければ、ステレオカメラも同様に先を見ることができません。
道路上の物体を検出することはできません。
トンネルから出た瞬間などで急に明るさが変化した場合、通常のカメラでは明るさに追従できずに飽和してしまうことがありました。
ダイナミックレンジカメラを使うことによってそれを防ぐことはできます。
ただし、それ以上の光、例えば逆光や対向車のハイビームなどでは正しく測定できなくなることがあります。
いわゆる、白飛び(明るすぎて画面全体が白くなってしまう)、黒潰れ(暗くて判別できない)などが起こります。
LiDAR(ライダー)を用いた場合→濃霧などの悪天候には弱い
LiDARは光を用いていますので、同じく濃霧や降雪で先が見えない状況であれば、光の反射が減りますので正しく測定することは難しくなります。
また、LiDARも光を使っていますので、天候には弱いです。濃霧や吹雪では正しく検出することは困難です。
RADAR(レーダー)を用いた場合→割と強い
距離と相対速度を測るというように機能が絞られていますので、その部分については悪天候でも強いです。
RADARも電磁波を使っていますので、濃霧や降雨の影響は受けるには受けますが、いくつかの反射データの中から正しいデータを拾うことで補正を行うことで精度をカメラやLiDARよりは稼ぐことができます。
また、対象までの距離が遠くても近くても正確に測ることができる特徴を持ちます。
道路形状の限界
対面通行の道路(中央分離帯がない)で対向車とカーブですれ違う場合、それが衝突前なのか、それともあくまで正常に走行している状況なのかを判断することは地図情報や道路の形状がわからない状態ではシステムからすると判別は難しくなります。
(実際に対向車と1m程度しか離れていない状態で相対速度は100km/h以上あったりするわけですので、正常に運転している状態でも一瞬ハンドルをずらせば正面衝突になり得るシーンです)
ドライバーは道路の形状を把握しているから、衝突前なのか正常に走行しているのかを判断できますが、レーダー(RADAR)やLiDARなどの前方状況を面でとらえていないセンサの場合は特に判別が難しくなります。そのため、センサが誤動作してしまうことがあり得ます。
逆に地図情報から急カーブの道だと判断していて警告を出さなかったとしても、ドライバーが一瞬、なんらかのスマホなどに気を取られることで対向車に突っ込むこともあり得ます。
対面通行の半径の小さいカーブは、衝突前なのか、正常なのかの判断というのは非常に難しい部分になります。
システムにとっては、対向車の来る山道は衝突前、回避が繰り返されるシーンになります。
ステレオカメラを用いた場合→面で捉えているで割と有利(正常に動作している限り)
白線がある場合は、ステレオカメラの場合はカーブか直進かなどの道路形状を把握することができます。白線がないとしても、画像処理をしていますので、ある程度は対向車が来ている道路なのかどうかなどを判断することができます。
また、60fps程度(1秒に60枚の画像)で処理ができていますが、より画像処理ボードの高速化が進むことで、もっと高いフレームレートで対応できるようになります。
注意点としては、逆光や、対向車のライトがステレオカメラに当たってしまっているなど、ステレオカメラが正常に動作できない状態になっていないことが前提です。先に述べましたようにカメラは天候などの影響を特に受けますので、それらが重なっていない場合は有利ということになります。
LiDAR(ライダー)を用いた場合→相対速度で考えるとスキャンされる周期(頻度)が低い
点の集まりではありますが、25Hz程度でスキャンでき、縦横にある程度の幅もありますので比較的面に近い形で検出することができます。また、それぞれの点に対して距離も測ることができます(もう少しかかりそうですが、RADAR同様に相対速度も測れるようになってきてはいます)。
また、白線なども読み取ることができますので、ある程度は道路形状も認識できます。
ただ、ステレオカメラなどのように60fpsやそれ以上で行うというようなことはできません。25Hz程度ですので、1秒間に25回の測定ということになります。時速100kmでは、1秒で約28m、0.1秒で約2.8m進んでしまいます。25Hzの場合は、1/25秒ですので、約1.1m進みます。
この25Hzは少し足りないと言えます。
相対速度においてということになりますので、一般道で相対速度が100km/hになることは多いです。
高速道路であれば、中央分離帯があるところが大半ですが、暫定二車線と呼ばれる道路ではポールなど簡易なものでしきられているだけの高速道路もあります。そういう場合は、相対速度が200km/hにもなりますので正面衝突が起きると死亡事故につながる可能性が高いです。
RADAR(レーダー)を用いた場合→道路形状は全く判断できない
RADARは、あくまで対象までの距離と相対速度を点で測定する装置です。
そのため、カーブの対向車線の車であれ、追い越しの場合であれ、道路形状については全く認識できません。
つまりRADAR単体で使用する場合は、天候に強いなどの長所は持つものの、カーブでの対向車にぶつからないかどうかの判断はできないことになります。
あくまで、対向車との相対速度と距離と方向だけを把握することができるものだからです。
物体の検出の限界
検出する物体が大きいのか、小さいのか、光や電波を反射するのかしないのかなど、各センサーによって検出できる物体の得意不得意は異なります。それぞれの装置の検出の限界についてお伝えします。
実際、安価な単眼カメラでの検出の場合は、もともと人の形状を上半身で判断しており、夜間の場合は足の部分しかライトで照らされないために検出できないといった限界があります。
ステレオカメラを用いた場合→傘や集団の人をとらえるのが苦手
ステレオカメラは、RADARやLiDARに比べると天候などの条件が良い時において物体検出において最適解になります。
それは、形状や色で物体をとらえることができるからです。
ただし、形状はあくまで用意された人の形などをベースにするために、傘で姿が見えないことや、集団で人があつまっている場合に認識が難しい場合があります。そのため、歩行者や自転車などいわゆる単体でのパターンについては多く情報を持っているために検出は用意だとしても、複数の自転車、複数の人の場合はその人たちの集まり具合によって形状は全く異なります。
そのため、集団の人についても人と認識できるかどうかは一つの困難なポイントです。
また、傘で人の形状を見えないようにしていたら、それを人と見分けることが難しいいです。それは傘の向きによって形状が変わるからです。
人間にとって人が一人であろうと、集団であろうと人と認識することは難しいことではありませんが、システムが判断するにはさまざまなパターンを学習できるようにしていく必要があります。
また、黒い色など、人が判別しにく状態はステレオカメラも判別しにくいです。
LiDAR→形状の似たものと人の判別や、壁の前の人などの検出は苦手、急激な姿勢変化は歪む
空間分解能が低い(点々で映像を3次元で表したような状況)ので、例えば、標識やポールなどと、人との判別が難しくなります。LiDARからすると、全て円柱にしか見えないということになります。
また、壁を背に人が立っていた場合も基本は距離による立体画像化をしていますので壁と一体化してしまいます。
人だけを検出することが難しい例の一つです。
カメラには手ブレというものがありますが、シャッタースピードよりも大きく変化させると写真がぶれてしまうということがあります。
LiDARも同じで、スキャン周期よりも大きい変化、例えば交差点での姿勢を変えるような場合、取得する映像がぶれてしまうことがあります。そのぶれ、つまり歪みを補正する必要があります。カメラでいう手ブレ補正ですね。
RADAR(レーダー)→小さいものも、車と人の判別すら難しい
天候の影響を受けにくいことや、低コストなど長所を持つものの、小さいものの検出や、そもそも分解能が低いのでなんらかの障害物があるかどうかとしか判別ができません。
ただ、最近では、角度分解能が従来の5度程度から、1〜2度になり、また左右のスキャン範囲も100度、垂直方向にも20〜30度の製品になったLiDAR並みの分解能とスキャン範囲を持つものも出てきました。
それらを使うことで、車と人との区別などもできるようになります。
小さいものというのはどの程度になるのかということについては、距離によって変わります。角度分解能が5度であれば、仮に30m離れたところのものの場合を考えてみます。
tan2.5°✖️30✖️2=2.6m
角度分解能が1度になると、
tan0.5°✖️30✖️2=0.52m
になります。つまり、水平方向に50cm単位で大きさを判別することができるようになります。
2.6m単位では車か人かもわかりませんが、50cm単位ならば、人と車の区別はできます。
判別できない小さいものというのも、この幅より小さいものが小さいものということになります。
死角の限界
死角、つまり見えないところにいる人や車を検出することができるかどうかになります。人であれば、当然、見えないところは見えません。それはステレオカメラも、LiDARも同じです。ところが、周波数がそれらよりも低く、少し反射ができるRADARの電波の場合は隠れたところにいる人の検出ができることがあります。
ステレオカメラ,LiDAR→どちらもお手上げ
これらのセンサはどちらも見えないものは見えませんので対応できません。ただ、RADARだけで人や車かもということを検出してもRADARには色の判別や、詳しい形状の判別はできませんので、RADARでほんのわずかな人らしき、車らしきものの存在を発見した場合はその部分に視点を注力することでより詳しく情報を得ることができるようになります。
RADAR→電波は反射も少しするので検出できる場合もあるが、人か車か猫かの判断は難しい
人が車の影に隠れていた場合、本来はほぼ見ることはできません。ところが電波の場合は光などと異なり多少の反射(もちろん、光も反射はしますが)をするために、人が車の影に隠れている場合の反射波と、人が車の影に隠れていない場合の反射波で違いが出る場合があります。その差を見ることで死角に人や車がいたとしても見つけることができる場合があります。
ところが、それが猫なのか、人なのか、車なのかの判断は難しい場合があり得ます。
それは、車の影にいるなんらかの動く物体が人か猫か、実際にその映像をRADARでの反射波では判断することが難しいです。
RADARの判断はあくまで、「何かいる」というレベルです。
そこで、上の項目にも書きましたが、「何かいる」という方向に対して別カメラでその部分に注力するというようなことが考えられます。
ステレオカメラだけでは全体的にぼやっとみているだけです。
ところが、もし、それ以外に何らかの「注力」する高解像度カメラなどを向けることで人なのか猫なのかの判断ができるようになる可能性があります。
まとめ:複合技で使うもので、緊急ブレーキだけに任せるのは難しい
以上、いくつかのシーンに応じて主に使用されているセンサごとに限界について書きました。
センサごとに特徴がありますので、そのセンサ一つだけで検出が難しいのは当然のことで、人だって、目や耳など五感に頼っているわけで、ある場合においては第六感というようなカンを使っている場合すらあります。車で言えば、そのカンは、ビッグデータから求められる「未来予測」でしょうか。
以上の理由からいくつかのセンサを組み合わせるということは当然必要になります。
今回、例に出した対向車におけるカーブは、複数のセンサを使ったとしても衝突しないかどうかの判断の検出は難しい点は変わりません。天候に強いレーダーで対向車までの距離と相対速度を測定し、ステレオカメラやLiDARで白線や道路状況を把握しながら次の瞬間の位置情報を予測することで、衝突の可能性を予測することはできるようになります。
そういった対向車における衝突回避は、ブレーキも必要ですが、わずかなハンドル操作で正面衝突を避けることができます。
そのため、回避については自動ブレーキならぬ、自動回避ブレーキ装置といったような部分にまで踏み込んだ装置の開発が求められることになります。
自動緊急ブレーキの延長に自動運転があるわけではありません。
自動緊急ブレーキの延長には、自動緊急回避といったようなことが求められるようになります。
各センサーの特徴まとめ
一応、簡単に各センサーの特徴をここでまとめておきます。
ステレオカメラ→実用化しやすいけど、悪天候に弱い
人の目の仕組みと近く、一番情報量が多いセンサです。
また、LiDARなどに比べて非常に安価です。そのため市販車に搭載されることも早かったです。
色情報、画像情報をとれるだけでなく、複数のカメラで捉えていますので条件もありますが距離もわかります。
ただし、短所は人の目と同じで、レンズが汚れたり、視界が悪くなったとたんに性能が落ちます。
そのため、視界など含めて通常においては一番使われることがあり、軽自動車などの価格を重視する市販車にこれからも搭載されることが考えられます。
LiDAR(ライダー)→将来性あるけど、高い
光を使ったセンサで将来性が非常に見込まれ、実験でも多く使われていますが高価です。
色情報も取得でき、周辺の状況を3次元でとらえることができます。
ここでは詳しくは書きませんが、RADARと同じくFMCW方式により、直接、相対速度を測ることができるようにもなってきています。
コスト以外の短所としては、高速で移動している場合や、向きの変化が大きい場合には歪み(誤差)が大きくなります。
他の物体の影に入るとその物体の検出ができなくなります。
普及させるためにはコスト面を考える必要がありますので、市販車に搭載されるには機能を絞ったものがはじめは搭載されていくことが考えられます。バスなど個人が一般的に所有するものではないものについては、ある程度価格が高くなっても採用できる可能性もあります。
テスラの経営者でもあるイーロン・マスクはLiDARに未来はないと言っていますが、大衆車においては、というところに思います。
RADAR(レーダー)→悪天候に強いけど、距離と相対速度しかわからない
悪天候に強いことや、多少のセンサ汚れなども影響しにくいなど悪環境に強いセンサです。
ただし、その分できることは限られており、対象物までの距離と相対速度を測ることに限られています。
短所としては、車などの金属や大きいものであれば、RADARは検出することが得意です。ただ、電波を反射しにくい「人」はレーダー断面積と呼ばれる数値が小さく検出が難しくなります。レーダー断面積というのはレーダーから見た大きさと言えます。
そのため複数のセンサと組み合わせて使用する必要があります。